動物病院

ある日 一人の女の子が 黒猫を抱いて必死に走っていました。

 

可愛がっていた 黒猫のお腹が 膨らんでいたので病気になったんだと思い 動物病院へ走って行きました。

 

息を切らしながら 漸く動物病院に着き 扉を開けて 病院の中に入ると 受付の所に オバさんがいたので 女の子は 猫を見て欲しいから 先生にお願いしてと言いました。

 

オバさんは 「ちょっと待っててね。 」 と言って診察室の方に入って行きました。

 

すると すぐオバさんが出てきて 女の子に 尋ねました。

 

オバさん 「お金持って来てるかなぁ?」

 

女の子 「持って無い。」と言うと

 

オバさん 「お金無いと診察出来ないんだけど? 」

 

と 言われましたが

 

女の子 「後でお母さんに貰って来るから‼」

 

と少し泣きそうになりながら お願いしました。

 

でも オバさんは お金が無いと診れないと繰り返し 挙げ句 ドアを開けて 「お金持って来たら診てあげれるからね。」と女の子を帰しました。

 

女の子は また走ります。

黒猫は 息が苦しそうです。

泣かない様に我慢していましたが 走りながら女の子は 泣き出してしまいます。

 

それでも 走って 家に帰り まねき猫の貯金箱をリュックに入れ 背中に背負うと 黒猫を抱いてまた 病院へ 走ります。

 

涙で 何もかもが二重に見えます。

それでも 女の子は 走って行きました。

 

病院に着いて 扉を開けると オバさんがビックリした顔をしていました。

 

女の子は 猫を ソファーに下ろすと背負っていたリュックを降ろし まねき猫の貯金箱をカウンターに置きました。

 

女の子 「お願いします。先生に診て欲しいです。」

と言いました。

 

オバさんは 貯金箱を開けて 中のお金をカウンターに出します。

女の子がお小遣いやお手伝いをした時に貰って貯めていた お金です。

 

642円。

 

オバさんは困っていました。

そしたら 診察室から先生が出て来ました。

 

女の子は先生に駆け寄って言います。

「お金持って来ました。足りなかったら後で絶対 お母さんに貰って来ます。お願いします。」と言って ソファーに横になってる 猫を見ました。

 

先生は ため息をついた後 黒猫に触って こう言いました。

「この猫 オシッコ出てた?」

女の子は分からないと答えます。

 

先生は「ちゃんと治療しないと 3日で死ぬよ?」と言いました。

 

女の子は 死ぬという言葉に ショックを受けました。お金は絶対 持って来るからと 泣いて頼みましたが 先生とオバさんは お金を持って来たら診てあげられるからと繰り返し言うだけで診てもらえず 女の子は 泣きながら家に帰りました。

 

次の日。

 

お母さんが朝 動物病院に電話をしてくれていたのでお母さんは 「ちゃんと診てもらえるよ。」と言ってたので 女の子は 喜びました。 黒猫に「今度は診て貰えるからね。頑張ってね。」と言って お金を持って病院に行きました。

 

女の子は病院に着いて 扉を開けようと手前に引きました。

ガチャッという音がして 扉は開きません。

何度も 引っ張りますが 扉は ガチャッガチャッと音を立てるだけで 開きませんでした。

 

少し離れて 扉を見ると 何かが書かれたプレートが下がっていましたが 女の子には難しくて読めませんでした。

 

お母さんが電話してたのに どうして?と涙が溢れて来ました。

泣いていると通りがかったおじさんが声を掛けてきました。どうしたの?と聞かれて 女の子は今日 診て貰えるはずだった事を おじさんに話しました。

 

おじさんは ドアを開けようとしますが 開きません。プレートには 往診中と書かれていたそうです。女の子はおじさんに聞きました。

 

「先生は 帰って来るの?」と…

 

おじさんは「帰って来るよ。」と言ったので 女の子は 病院の扉の前で待つことにしました。

 

黒猫のお腹は大きく膨らんでいて 苦しそうです。時々 暴れるから アチコチ引っ掛かれて 血が出て痛いけど それでも 頑張って もうすぐ先生に診てもらえるよと 黒猫にいい聞かせる様に何度も何度も繰り返しました。

 

お昼になっても 先生は帰ってきません。

 

病院の前にずっといるから お巡りさんが来ました。 お巡りさんも心配してくれました。

病院にも電話してくれましたが 誰もいない様です。

 

お巡りさんは 一度 お家に帰りなさいと言ってパトカーで 送ってくれました。

 

家に入って お母さんに電話しました。

本当は お仕事してる時に電話しちゃいけない事になってるんだけど 診てもらえなかったから 泣きながら電話しました。

 

お母さんは 驚いていました。

ちゃんと 予約入れたのにって少し 怒ってました。また 電話してみるからって言って 電話を切りました。

 

女の子は 黒猫に寄り添って 横になってます。

 

黒猫は 起き上がろうとしますが 立つことも座ることも出来なくなってました。

 

電話が鳴りました。

きっと お母さんだ!と受話器を取ります。

お母さんでした。今なら先生いるから 病院に連れて行きなさいって言われたから 急いで お金をポケットに入れて バスタオルで黒猫を包んで 病院へ向かいました。

 

走って行くと 病院の前に 先生がいました。

女の子は先生に駆け寄って言いました。

 

「先生 診てあげて !! 」と…

 

先生は バスタオルで包まれた黒猫を見て一言

 

「死んだ?」と………

 

女の子は 「まだ生きてる。」 と言おうと 顔を上げた時 先生はいませんでした。

 

病院の中に入ったんだと 思い 扉を開けようとしますがガチャッといって開きません。

でも 頑張って ガチャガチャガチャやってたら

オバさんに「うるさいっ! 」と怒鳴られました。

 

女の子は泣きながら 喚く様に 泣きながら 家に帰りました。

黒猫は ゲッソリしてます。

お水を欲しがるのであげると たくさん飲みます。

女の子は 黒猫に謝ります。

「ごめんね。ごめんね。ごめんね。ごめんね。」泣きながら謝ります。

 

お母さんが お仕事を無理矢理休みました。

今日 少し遠い 動物病院に行けます。

 

病院の先生は 優しい人でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

でも………黒猫は余命宣告をされてしまいます。

もう 手の施しようが無いと言われました。

 

優しい先生が言いました。

 

「 あと 2日早ければ 何とか命を繋げられたのに…」と……

 

 

 

黒猫は 朝方 一際 大きな声で鳴き 息を引き取りました。

 

女の子は 何度も行った病院の先生とオバさんを憎みました。

 

ちゃんと診てくれていたら 助かったのに…と。

 

 

 

そして………黒猫が死んでから一週間が経った頃から あの動物病院の近辺で 猫が鳴くのに姿が見えないという 噂が流れ 治療に来た動物達は 治療したのに具合が悪くなると飼い主同士で噂が流れ あの病院に行った時 猫の鳴き声がしたら 治療中の動物が死んでしまうと評判を落とし営業出来なくなり 動物病院はつぶれた。

 

 

 

 

 

 

それでも………猫が今でも鳴き続けていると通りがかる人には 聴こえるらしい……。

 

とても悲しく鳴いている…と……。

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