地下室にいた…

あれは 確か中学生ぐらいの時だっただろうか?

 

丘の上に建つ 家に引っ越して来た人達がいて その噂を聞いた 翌日に 転校生が来た。

 

あの家は 15年ぐらい 空家だったと 確か 大人達が話してるのを 聞いた事があった。

 

そして あの家で 何があったのかも……だから 肝試しだって言って 何人も出掛けた人達がいた。

 

お化け屋敷とも呼ばれた家に その転校生達が引っ越して来たんだ。

 

噂は 直ぐに 田舎町に広がった。

元々 気味悪がってた 年寄り達から 話を聞かされていた 私達の親に伝わり そして 私達に伝わろうとしていた。

 

だから当然 その頃の私達が 知るはずは無い。無いはずなのに クラスの男の子が 「 あの家には 地下室がある。」と言った。

 

どう見ても 普通の一軒屋。地下室が有るようには見えなかった。だから みんな本気にはしなかった。それでも 男の子は 「絶対にあったんだって !! 」と言い続けた。

 

じゃあその地下室には 何があるの?と誰かが聞くと 男の子は 「 中は暗くて何があるまでは分からなかった。」と言った。

 

じゃあ あの転校生と 友達になって 家に遊びに行って 確かめよう‼ と誰かが言った。

 

転校生は 女の子。お人形の様に白い肌。赤い唇。髪の毛は生まれつき 巻き毛だって 言ってた。

直ぐに 打ち解ける事ができた。

警戒してた 子達も 時間が経つと一緒に笑ってた。

 

でも 今日 いきなりは 引っ越して来たばかりで悪いからって そのうち 遊びに行こうと みんなで相談して決めた。

 

次の日 学校に行くと 昨日 地下室があったってむきになってた 男の子が 休んだ。

普段から 風邪なんか引かない 元気過ぎるくらい元気なのに 珍しいな…。と 思ったけど 授業が始まる頃には忘れてた。

 

今日は 転校生を遠巻きに見てた ちょっと近寄り難い子達が 転校生の髪の毛の事をからかってた。困っていたけど 誰も 助けなかった。助けたら 次は 自分の番だから みんな 怖がってた。

 

ホームルームが始まると 先生が おかしな事を言った。 今日 学校を休んだ男の子が転校した…と 私達は 何も聞いて無かったし 突然過ぎて 訳が分からないと みんながザワザワし始めると 先生が 理由が分からないのは 先生も同じだと言った。

 

下校時間が来て 私と仲が良かった友達と 3人で校庭を歩いて 裏門へ抜けようとすると 合気道部の部室の裏に 転校生が しゃがんで何かしてたのが見えた。

何をしてたかは分からない。けど 気になったから 転校生が居なくなるまで ソフトボール部の子と喋ってた。なるべく 転校生の方を見ないように……。

 

15分くらいしたら 転校生が居なくなってたから ソフト部の子と別れて 合気道部の部室裏に回って さっき転校生がいた 場所辺りを 探ってたら 土が盛り上がってる所があったから 辺りを見回してから 友達と掘ってみた。

 

変な形の人形が 2つ出て来て 私も友達も 「うわぁっ?!」って思った後 また 埋めて元に戻して 急いで 家に帰った。私もだけど 友達も気持ち悪かったのと ちょっと 怖かったから…。

 

家に帰り着いたら 電話が鳴った。

出たら 何も言わなかったから 間違いかな?と思って 切ろうとしたら 何か 聞こえたから 受話器を耳にあてた。

でも また何も言わなかったから 切った。

そしたら いきなり また 電話が鳴って ビックリしながら 取ったら お祖母ちゃんだった。

 

何かちょっと怒ってるっぽい 口調で こっちも怖いとか思ってたら 「今すぐ こっちにおいで。」と言って切れた。

 

何か怒られる様な事したっけ?と思いながら 自転車に乗って お祖母ちゃん家に行った。

 

玄関横に 自転車を置いて 中に入ろうと 玄関の戸を開けると いきなり 大量の塩が降ってきた。

「………………?!」

塩を払いながら 顔を上げると 般若みたいな顔をした お祖母ちゃんと叔母さんが居た。

 

低く 「ヒイィッ!!」と悲鳴を上げた。

二人がこんな風にしてるって事は また何か拾って来たのかな?ぐらいに思ってると 今度は 酢と〇〇〇←( うちに伝わる厄除け?みたいな臭い液体です。 )を頭から かけられた。

 

その後 風呂に入れと言われて お風呂に入っていたら いきなり戸が開いて 浴槽に 塩とドクダミを入れられました。

 

もう 従うしか無いので 黙って浴槽に入り湯に浸かり 暫くして 上り 居間に行くと 緑茶を出され 飲むと 中に御札が入ってました。

 

お祖母ちゃんが 何に触ったか 言えといいますが良く分からずにいたら 学校帰りに触っただろう?と言われて

 

「あっ !! 」と思い出し 見付けたあの人形の事を話しました。友達と3人で見付けたと言ったら 友達と友達の親に連絡すると 言って 叔母が居間を出ていきました。

 

すると お祖母ちゃんがゆっくり 話始めました。

「お前も知ってるだろうが 丘の上に建つ家には 地下室がある。お前は 後で友達と3人で そこへ行かなければならない。そして お前達に掛かった呪いを解いて来なければならない。」

 

私は 「呪い?」 と聞き返すと お祖母ちゃんは 黙って頷いた後 「見付けただろ?奇妙な人形を…」と言われて アレはそういうモノだったのかと思った。

 

「お前達が見付けた時点で 呪い返しが向こうに飛んだはずだ だから お前達は それを見て呪いを解かねばならない。」

 

外に車が停まる音がした。

お祖母ちゃんが立ち上がる。

(あぁ……みんなアレされるんだ…)そんな事 思いながら 緑茶の中で すっかり 溶けてしまった 御札入りの冷めきったお茶を飲んだ。

 

一通り 私と同じ事をされた 友達と3人で 白装束に身を包むと 其々に渡された ロウソクと御札と身代わりのヒトガタを持ち 車に乗り込む。

 

「あの家に入ってからは 一切 喋ったらいかん。何を見ても それは幻に過ぎない。現実には 何も起こってはいない。お前達が見た転校生は最初から居なかったんだ。全てはあの家が呼んだモノ。行けば分かる。いいか?御札とヒトガタをそこに居るモノに張り付けるんだ。何も怖がる事は無い。呪いが返されては アレに力は残ってはいない。お前達の代わりは誰も出来ないんだから。行って来い。」

 

車は お祖母ちゃん家から 離れる。

友達の両親も お祖母ちゃんと一緒に私達を 見送った。

 

友達二人は 顔面蒼白状態だった。

無理もない事だけど 今は やってしまった事を終わらせないと……

 

私 「大丈夫?」

 

友達A 「何とか…。」と言って笑って見せるけど…ひきつってた。

 

友達B「何回か同じ様な事にあってるけど…まだ慣れないや…」と ニコッと笑う。

 

私 「転校生……来たよね?」

 

友達A 「うん。確かに居た。」

 

友達B 「最初から居なかったってどういう事だろう?」

 

私 「さぁ~分かんないよ…あ~そう言えば アイツは?」

 

友達B 「アイツって?」

 

友達A 「あ~………誰だっけ?」

 

私 「嘘でしょ⁉ 転校生来た後 転校したヤツだよ⁉」

 

友達A 「あ~‼ん~でもちょっと待ってよ…。」

 

友達B 「男子だよね~?」

 

私 「うん そう 名前が出て来ないんだよね…。」

 

友達B 「誰だっけ?顔は分かるのに…何で?」

 

友達A 「ん~……ダメだ…出て来ないや 名前。」

 

友達B 「まさかと思うけど……」

 

友達A 「まさかなのかな…?」

 

私 「有り得るかも……」

 

3人「………………。」

 

そろそろ着くよ。と前から 叔母さんの声がして 私と友達は 車を降りる準備をする。

 

「じゃっ 頑張って。これ御守り 無いよりましでしょ?」と言って 3人の腕に数珠をつけてくれた。

 

丘の上の家には 一つの明かりも点いていなかった。私達は 顔を見合せ 玄関を開ける。

 

中に入ると ロウソクに火を点ける。

少しだけ 周りが明るくなる。

玄関を上がると 直ぐ 二階に上がる 階段があった。一戸建てだと思ってたのに…二階があったのか?と ちょっと上を覗き見るが 階段の途中に板が張り付けてあって 何か 気持ち悪かったから先に進んで行くと 左側に広目の部屋があった。多分 リビング何だろう……家具には 白い布が掛けられてた。

 

そこで 転校生は居なかったんだって納得した。友達も同じ感じだった そんな顔してたから…。

 

地下室は 台所の隣の収納室に入り口があるって聞いてたから 台所に向かうと テーブルの上に何かが乗ってたから ロウソクの火を近付けて ( !? )3人で叫びそうになったのを 必死に相手を掴む事で 耐えました。

 

テーブルの上に 何故か? 人形が立てて有りました。日本人形の様で 少し違う…外国の人形の様な……結構 大きめの人形でした。

 

その横を通らなければ 台所の隣の収納室には行けないので 壁にへばりつく様に 人形から目を離さない様に早足で歩き 収納室に行きました。

 

ロウソクは 大きいですが それでも 時間が掛かれば 短くなってしまいます。なるべく 早く 事を済まして 帰ろう と目で訴えて 3人で頷いた所で 地下室への入り口の扉を開きました。

 

暗い中へ 階段が続いていました。

入りたくないと身体が震えているのが分かるほど ロウソクの焔が揺れて ロウが溶けて 指に落ちて 熱さで我に返り 行こう…と友達と頷き合い地下への階段に 足を置き ゆっくり 降りて行く。

 

最後の一段を降りると 地下室は 割りと広いという事が分かりました。

 

階段を降りた先は 廊下の様に 左右が壁になっていて 奥に 続いていました。

 

上の家以上に 地下室はまるで 冷凍庫の中にいる様でした。 奥へと続く 廊下の様な所を 歩いて行くと 急に 空気の流れで 開けた場所に出たと分かりましたが 余りの暗さに良く見えずに 摺り足で 進んでいると 少し前の方に 黒っぽい何かが見えて 3人でそちらに歩いて行くと……。

 

黒っぽく 見えたのは 暗かったからで 近くまで近寄ると それは 赤い格子状の物で囲われた 部屋みたいな空間がありました。

 

檻…?違う?!これって!!

座敷牢でした。中にロウソクを差し出すと 小さなタンスや鏡台 小さな丸いテーブルと小さなお皿が 置いてありました。

 

すーっと ロウソクの灯りを 横にずらした時 何かが 居るのが分かりました。

赤い着物を着て 赤いリボンを頭に着けて 長い黒髪の女の子?らしき人が 座敷牢の隅っこの方で震えていました。

 

もしかして……この小さな子に 御札とヒトガタを張り付けるって事 なのかな?

 

良く分からずにいると 地下室に何かが歩く足音が響きました。私達は ビクッとなり 音が 近付いて来るので 座敷牢から 離れた位置に移動して固まっていると ……

 

それは さっき 台所のテーブルの上にあった人形でした。覚束無い足取りで 座敷牢に近付くと 中に居た 女の子?らしき子が 動き 人形を掴みました。私達は 恐る恐る 座敷牢に近付いて ロウソクの灯りが 届くくらいまで 近付くと その女の子の顔を見て 更に驚きました。

 

それは 同じクラスにいた あの男の子だったのです‼ 男の子が女の子の様な格好をして 地下の座敷牢に居る それが 理解出来ずにいると 座敷牢の中に付いていた 小さな扉から もう一人 這い出して来て その子には 足が有りませんでした。

 

でも その這い出して来た子には 見覚えがありました。あの転校生でした。

 

それで わかった様な気持ちになりました。

 

私は 友達二人と 座敷牢に入り 這い出して来た子に 御札を 女の子の格好をした男の子にヒトガタを着物に張り付けて 3人で座敷牢を出ました。

 

人形が悲鳴を上げ もがき苦しみ やがて 動かなくなると 座敷牢に居た二人も 元の屍に戻り 崩れて 消えてしまいました。

 

私は 全てがわかった気がして 自然と涙が出て来て 涙を拭っていたら 友達二人も泣いてました。

 

泣きながら 地下室を後にし 家の中を歩き 玄関を出た時 「アリガトウ……」そう聴こえた気がして 振り返ったら 玄関の戸が閉まる その一瞬 車椅子に座った女の子と着物を着た男の子が 笑っていたのが 見えた気がした……。

 

それは 友達も 見ていたらしく あの子達は姉弟だったんだね…って3人で話しました。

 

空を見上げたら…星がたくさんでていました。

 

 

 

 

 

 

座敷牢があった時代 ある家に女の子が産まれました。でも その子は足に障害があり 歩く事は難しいだろうと 医者に言われます。

母親は それでも我が子だからと 育てようとしますが その家の姑が 見てくれが悪いと 地下に牢を造らせ そこで 育てろと言って 女の子を座敷牢に閉じ込めてしまいました。

それでも お母さんは 一生懸命 娘を育てていましたが 娘が三才の誕生日を迎えた日から 徐々に弱って行き そして亡くなってしまいました。

お母さんは がっかりしたのと 姑が座敷牢へ娘を追いやった事を 恨み 呪いをかけました。

 

お母さんが買ってきた 人形に姑の髪の毛やらハギレやらを入れて…

お母さんは その後 弟を出産しますが…おかしくなってしまいます。弟に女の子の格好をさせ 地下室の座敷牢に入れて 育てますが 弟も五才で亡くなってしまいました。

 

お母さんは また 呪いをかけました。

 

そして 言いました。肉体を持てば あなた達は蘇る そして 何年でも 生きられる。そういう呪いを姉弟にもかけていました。

 

時が過ぎ 地下室をそのままにして 家が建ちました。そして 呪が表に出てしまったのだろうと…お祖母ちゃんが言ってました。

 

呪縛から逃れたくても逃れられ無かった

姉弟達の長年の思いは 姉弟のお母さんの願いとは 真逆だった…。

 

 

 

 

何かグダグダと長くなってしまいましたが ここまで読んで くれた方 ありがとうございました。

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