私の親友のMが、高校を卒業後に美容師の専門学校に通って居た時、エクステを付けて居た時が有りました。
後輩からある日私に電話が有り、最近Mさんがおかしいと言うのです。
何がおかしいのか聞くと、まるで別人の様に性格が変わった。と、言います。
Mは今までの、私が投稿した話での話し方の様に、男勝りな性格で話し方もそんな感じ。
ですが、最近のMはまるで真逆で女の子らしく、そして何より大人しくなり、優しくなって気味が悪い。と言うのです。
私も高校を卒業後は、調理師の専門学校に通って居てそう頻繁にMと会って居ませんでした。
後輩の言葉が気になり、私はある日の夕方にMの家を久し振りに尋ねました。
ピンポ~ン♪
M「は~い! あらっ!S~!久し振りねぇ~!元気にしてたぁ?」
私「え…!!(゜ロ゜ノ)ノ」
M「どうしたのぉ?早く入って♪」
私「M…?なんぞ、変な物でも食うたんか?」
M「何、意味の分からない事言ってるのよ。変な物なんて食べる訳無いでしょ!」
私「お前…話し方そんなやった??」
M「そうよ。私はいつもこうでしょ?Sこそおかしいわよ?」
私はMを足の先から頭のてっぺんまで眺め回しました。
すると…Mの髪にピンクのエクステが一ヶ所付いて居ました。
私「M?そのエクステはいつから付けてるん?」
M「あっ。これ?1ヶ月位前からかしら?そろそろ取りたいと思ってるんだけど、どうしても取れないのよ~!」
私「取れない?何で?」
M「わかんな~い!」
私は、普段とは全く違う話し方をするMに次第にイライラして来て居ました。
私「なぁ?いい加減その鬱陶しい喋り方どうにかならんか?」
M「だからぁ~!私はいつもこうだって言ってるでしょ~?何で、怒ってんのよ?」
私「そのエクステ、似合わへんから取りや!」
M「取れないのよ!」
私は、何故か妙な胸騒ぎがして居ました。Mの人格が変わったのは、あのエクステのせいでは無いのか…
私「その、エクステって人毛なん?」
M「そうみたい。専門学校の先輩がね、付けてくれたんだけど~!」
人毛…。
私「うちが取ったろか?」
M「どうやって?」
私「こうやって!」
私はMのエクステ部分を掴むと思いきり引っ張りました。
M「痛いーっ!止めてよ!」
Mのエクステは引っ張っても取れる気配は有りませんでした。
まるで自分の髪の様に…
私は益々Mの人格が変わったのは、あのエクステのせいやと思い、何としてでも取ってやる!と、後輩を二人呼びました。
暫くして、後輩二人がやって来ると、私は二人にMを押さえて居る様に言い、ハサミでMのエクステを切ろうとしましたが、Mが暴れるしでなかなか切れません。
私「お前ら、もっとちゃんと押さえとけや!」
後輩①「全力で押さえてますよ!
M「何すんのよ!止めてよ!あんた達おかしいんじゃないの!」
私「うるさい!静かにしとけ!」
普通のハサミでは切れないと思い、私は裁縫で使う裁ちハサミをMの妹から借り、それで思いきりエクステを切り落としました。
その瞬間、Mが物凄い叫び声を上げ倒れ込みました。
後輩①「死んだ…?」
後輩②「エクステ切り落としただけで死ぬかよ!」
私「M!M!」
Mは暫くして意識が戻りました。
M「ん?」
私「ん??」
M「S?」
私「あぁ。」
M「お前、いつ来たの?」
私「戻った…??」
M「は?何がだよ?」
私「戻ったー!」
M「だから、何がだよ?意味わかんねーから」
私「これ。」
私はMの髪に付いて居たエクステを渡しました。
M「あっ!取れてる!」
私「取れた…って言うか、ぶった切った笑」
M「はぁ??」
Mは慌てて鏡を見に行きました。
M「あっーっ!ハゲてんじゃねーかよっ!」
私「だって、取れへんねんもん。引っ張っても何しても。ってか、そのエクステおかしいで?まるでお前の地毛みたいやった」
M「実はさ、これ専門の先輩に付けてあげる。って言われた時嫌な感じがしたんだよ。でも、エクステだし考え過ぎかな?って思って付けて貰ったんだけど、その日から違う人間が私の中に居る感覚がしてさ」
私「変な喋り方してたん覚えてる?」
M「何となく。人毛のエクステはヤバイな」
私「取敢えず元に戻って良かったわ。あのまんまやったら気味悪くて敵わん」
後輩①「あのままのが良かった様な…」
M「なんて言った?」
後輩①「いえっ!何でも有りません!」
M「ったく。 取ってくれてサンキュー。何かあのままだったら自分を乗っ取られてたかも知れない」
私「何か、原因がこのエクステとしか思えんかったから。けど、あんなに地肌に食い込むもんなん?エクステって」
M「いや。編み込んだだけのはずだから。このエクステに何か宿ってた。って事だな。燃やそう」
私とMは後輩達が帰った後でエクステを燃やしました。
Mはそれ以来、例え人工の物でもエクステは一切付けませんでした。
一体、あのエクステには誰の人格が宿って居たのでしょうか。