私にだけ見えない

私の親友Mは霊感が強い。母親譲りの霊感の強さで、私はこのMと居る時限定でとんでもない体験を数多くしている。

今回はMに初めて彼氏が出来た、16歳の時に起こったお話をさせて頂きます。

 

 

私達は16歳。

Mに初彼が出来た。

出会ったのはバイト先の居酒屋。

彼氏は私達より3歳年上の19歳。バイトの先輩でも有り、新人のMに色々仕事を教えてくれてる内に仲良くなり、やがて付き合い始めた。

大学生で一人暮らし。

二人が付き合い出して1ヶ月が過ぎた頃彼氏がMに神妙な顔で、こう言って来たらしい。

 

「俺さ、半年以上前に別れた元カノから最近付きまとわれてんだよね…」

M「ちゃんと別れて無い訳?」

彼「いや。別れたよ。向こうも納得した。知り合いの話じゃ新しい彼氏も出来たみたいに聞いてたんだけどさ。2週間位前の夜にいきなり家に来たんだよ。やっぱり忘れられないからもう一度付き合って!って言われた。でも、俺はアイツ嫌になって別れたし今はM居るし、ハッキリ断った。そしたら、分かった。って言って帰って行ったんだよ」

M「は?家に来た?聞いてないけど!」

彼「お前、怒ると思ったしハッキリ断ったし…」

 

彼氏の元カノは、とにかく束縛が酷かったらしくウンザリした彼氏が別れを切り出した時は、泣いて騒いで大変だったらしいのですが、どうにか納得して貰って別れてからは一切連絡とかも無くなり、共通の知り合いからは新しい彼氏が出来て仲良くやってる。と、聞いて居たので彼氏も安心して居たらしいのですが…

 

2週間位前から彼氏の行く所行く所に元カノが居るらしいんです。

 

彼「コンビニとか、本屋とか、バイト先の居酒屋とか、コインランドリーとか、何処にでも居るんだよ」

M「ずっと見張られてるって事?何か、言って来るの?」

彼「何も言って来ない。だから、何も言えなくてさ。たまたまって言われたらそれまでだし」

M「私と居て、近くに居た事ある?」

彼「一昨日の夜中に一緒にコンビニ行ったじゃん?あん時に居た」

M「コンビニの中に?」

彼「いや。外からジッと見てた」

M「そんな変な女居たかな。居たら気づかない訳無いんだけど」

彼「お前の事も見てたよ。雑誌コーナー行ってたじゃん?あん時、見てた」

 

(え?雑誌コーナー?雑誌コーナーって窓際じゃん。そんな近くから見られてて気づかないとかあるか?)

 

何とも納得行かないまま、その夜Mは彼氏の家から歩いて帰宅すると…

 

母「M、お帰り!」M「ただいま」

母「あんた一人?」

M「は?どう見たって一人だろ」

母「…。さっき、あんたがドア開けて入って来る時、後ろにもう、一人居たからてっきりS(私)連れて来たのかと思って。髪の長さとかも似てたから」

 

(え?)

Mは急いで玄関に行き、ドアを開けて辺りを見回しましたが誰も居ません。

 

M「ちょっとSに電話してみる!」

 

~電話~

 

M「もしもし?S?」

私「うん!どした?」

M「お前さっき、家に来た?」

私「行ってへんけど?何で?」

M「いやさ、今さっき彼氏の家から帰って来たんだけど、お母が私の後ろにSが居た。とか、言うからさ」

私「又、意味解らん事言い出して笑とにかく、行ってへんもんは行ってへんよ笑」

M「そうか。なら、お母の目の錯覚かな。ごめん!又、連絡するわ!おやすみ!」

私「了解!おやすみ!」

 

M「お母!やっぱ、S来てないってよ!」

母「あらっそう。じゃ、錯覚かな…」

 

本当は既にこの時、Mより霊感の強いMのお母さんにはMの背後にチラッと見えた人影が良からぬ者で有る事が解って居たのです。

勿論、私では無い事も……

 

 

二日後又、Mから連絡が来て遊ぶ事になり、Mが私の家に来る事になりました。

 

ピンポーン♪

 

私「開いてるで~」

 

ガチャッ。玄関が開きました。

 

M「おっじゃまぁ~!」

 

私「…??」

M「どした?」

私「今の誰?誰か一緒に来たん?バイトの子?」

M「はぁ?何、言ってのお前。どう見たって一人だろ……って、何かこの前もお母に同じ事言ったな。何処に居た?」

私「お前のちょっと後ろに居た様な気がしてんけど、錯覚かな?」

M「それもこの前、お母が同じ事言ってたな…」

私「お前何か変な者憑いてんちゃう?笑でも、お前が見えて私も一緒に見えるパターンやから、お前が見えへんのに、私だけ見える事は無いわな笑笑」

M「…。」

私「何やねん。何か言えよ」

M「あっ!」

私「あっ??」

M「そうか!

私「何が!」

M「錯覚じゃないかも」

私「??」

M「彼氏がさ、半年以上前に別れた元カノから2週間位前から付きまとわれてるらしいんだよ。彼氏の行く所行く所に居るんだって。でも、私には見えないんだよ!」

私「意味が解らん…」

M「生き霊だよ!」

私「生き霊?元カノ?元カノが生き霊飛ばしてるってやつ?」

M「そう!でも、私にだけ見えないの!」

私「私が見えたのに?お前が見えないの?今までそんな事無かったやん」

M「お母に聞いてみよ!絶対気付いてんだよ。あのババァ!」

 

そうして私は意味不明なまま、Mの家に連れて行かれました。

Mの家に着くとMのお母さんはまだ、仕事から帰って来て居ませんでした。

二人でテレビを見ながら待って居ると、妹のAが部活から帰って来ました。

 

A「あっ!Sちゃん、いらっしゃい! 姉ちゃん!外に立ってる人は何で入れて上げないの?」

M・私「!!」

私とMは走って玄関に行くと勢い良くドアを開けましたが、誰も居ません。

 

M「S!私には見えないけど、お前は見えただろ?今、居る?」

私「居らん…」

M「チッ!ったく、何なんだよ!」

A「居ないの?私、帰って来た時に家の前に居たんだよ?髪の毛の長い人。下向いて立ってるから、お姉ちゃん待ってるんですか?って聞いたんだけど、何も答えないし、顔も上げないからどんな顔かは見えなかったけど。姉ちゃん、やっぱ知ってる人なの?Sちゃんも?」

M「知ってる様な…知らない様な…」

A「は??」

 

そこへMのお母さんが仕事から帰って来ました。

 

母「あんた達、玄関で何してんの?どきなさいよ。入れないじゃない」

 

私達は居間へ行きました。

 

M「お母。お母、この前私が夜に帰って来た時に後ろにもう一人居た。って言ってたじゃん?」

母「錯覚でしょ」

M「錯覚じゃねーだろ」

母「なんで?」

 

お母さんは買って来た買い物を冷蔵庫にしまいながら聞いて来ました。

 

M「今日、SもAも見てんだよ!」

母「そうなの。二人にも見えたんだ?」

M「やっぱ、解ってんだ」

母「今回はあんたには見えない…見せないみたいだからね」

M「彼氏の元カノ?」

母「だろうね。生き霊だね。何であんたにだけ見えないのかは解らないけど、よっぽどあんたの彼氏に未練があるんだろうね。あんたに対してはかなり妬んでる。このままでは良くないよ。なんせ今回はあんたには姿見せないんだから、どうにも出来ないだろ?」

M「じゃ、どーすんだよ?」

母「別れたら?彼氏と。そんな好きじゃないだろ?」

M「まぁ~別に。でも、彼氏ヤバイんじゃ無いの?」

母「それは自業自得だよ」

M「自業自得?納得して別れたのに?」

母「あんたにはそう言ってるだけだよ。あの子、子供堕胎させられてるよ。恨んで当然さ」

M「何でそんな事知ってんだよ!」

母「聞いたから」

M「誰に!」

母「元カノに。あれから翌日も家の前に居たから話したのよ」

 

(生き霊と普通に立ち話。位の体で話すMのお母さんって…何者)

 

それをお母さんから聞いたMは後日彼氏を問い詰めたら、アッサリ白状したので、これまたアッサリ別れて来ました。

 

 

今回は怖い話では無かったですかね。

次はMと一緒に体験して二番目に怖かった話をさせて頂きたいと思います。

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