親戚に貸りた家

この話は今から18年前に 私の身に起こった出来事です。

 

 

当時 住んでいた家( 独り暮し時 )は 父親の母(私からしたら祖母)の弟の奥さんの親類にあたる方の物で 築40年以上ほど経っていた 木造の一軒家を借りていました。( 5年以上放置状態 )

 

 

もう取り壊そうかと思っていたという事で 自由にリホームしていいと言われたので アチコチ 手を入れさせて貰いました。

 

 

その家は 玄関を入ると 昔でいう 土間が 台所まで ずーっと続いていましたので 一々 台所に行くのに サンダルを履かないといけない不便さを無くす為に 土間の上に板を張り フローリングに変え 部屋から台所に行く時の不便さを無くしました。

 

トイレは 隣接していた 小屋の方にあり 家とは少し離れていたので どちらかと言えば 外にトイレが有るような感じでした。( 汲み取り式 )

 

 

部屋は 玄関から入って右側に台所 台所に隣接した小屋がありその小屋に御手洗い( 汲み取り式 ) があり 玄関の真正面に6畳間が一部屋( 居間 ) 玄関の左側に縁側があり その縁側続きの6畳間( 寝室 )が一部屋 その奥に4畳半の部屋( 物置き )がありました。(分り難かったら すみません。)

 

隣の家との間が 1mも離れていなかった… 4畳半は 陽が入らず 暗くジメッとした部屋でした。

( 何より 4畳半の窓を開けると 隣のトイレが目の前にあったので ビックリしました。窓を開けるのは 掃除をする時だけでした。 )

4畳半の部屋には 押し入れもありましたが…先客が居座っていたので 保々 物置き場にしていました。( 先客は 青大将という 蛇です。 )

 

問題があったのは 縁側続きの6畳間( 後の寝室 )でした。

この部屋には 押し入れは勿論 あるのですが…その押し入れを 無理矢理 切り開いた様な形で 仏壇が置かれていました。

 

大きい物では無く 今で言えば アパートや団地等の部屋に 置くような 小さい物でしたが その仏壇の所有者?が全く分からなかったのです。

 

仏壇があった下に 戸棚があり そこを 開けたら…… 位牌と骨壺が入っていました。

骨壺の中にお骨もしっかり入っていました。( お坊さんが開けました。 )

位牌は 相当 古い物らしく 戒名さえ 読めませんでした。骨壺と一致しない 数の位牌が 詰められてました。

 

誰の物か いつの時代の物かも分からず 家系図を広げ 訊いて回ったそうですが……

本家は勿論 中家 分家のどちらにも その仏壇を知る人がいませんでした。

 

でも 何か繋がりがあるのだろうと 本家の墓地の敷地に 無縁仏として 新しく 墓を造り 墓石を置き 本家と同じお寺で供養して貰いました。

 

仏壇も 魂抜きをして 処分して頂きました。

 

それから畳を全て 新しい物に交換して貰い 住み始めました。

最初の数ヶ月は何も無く 普通に暮らしていましたが ある年の春先辺りから 家鳴りとは違う金属を擦り合わせた様な音や金属を木製の棒状の様な物で叩いた様な音が頻繁にする様になりました。( 朝昼晩問わず )

 

それを無視していると 私が居る周辺で 音が鳴るようになりました。

 

それでも 無視していたら 黒い影が 彷徨く様になりました。( 目の端で捉える程度 )

供養をしたのに それでも 浮かばれないのか?と思いましたが 同情心を持てば 相手の思うツボなので 暫く無視していましたが そのうち 物( 主に野菜やお肉類 酷い時は缶詰が破裂しました。)が腐り出し 昨日 買ったばかりのお肉や野菜が 1日経たずに 腐り それを 承知で 料理を作り 冷凍庫で保存するという日々が続きましたが……

 

等々 冷凍庫にまで 被害が出始めました。

( 冷蔵庫は 新品の物を使っていて 物が腐り出した時 購入した先の電気屋さんに見て貰いましたが 異常ありませんでした。)氷は溶けて 水浸し 保存していた物も 同然 解凍され 保々 1日か2日で 完全に腐ってしまい 保存さえ出来なくなりました。

 

レトルト食品でも消費期限がまだ先の物でも温めて 封を切ると 異様な匂いがしました。

缶詰も缶が膨張し 変形したり 破裂したり……

 

 

そこで 仕方がないと思い 話を聞こうと ある日 の夜部屋を暗くし ロウソクを立て火を点け お線香を焚いて待ちました。

すると 何かを引き摺る様な音が ズズッズズズ…ズズッズズズ… と数回鳴った後 ロウソクの炎が左右に揺れ 上に珠を作り ボッボッボッと上がりソレが近くに来た事が分りました。

 

暫く 無音( 微かな音も聴こえない )が続いた後 縁側に 何かがドスンッと落ちる音がして 耳を澄ましていると 遠く かなり遠い場所から ワーワーワーワーワーワーワーと大勢の人が 争っている様な声が 聴こえたかと 思ったら 私の直ぐ横で キーンッと金属がぶつかる様な音が 聴こえ 一瞬 身を竦めましたが それでも動かずじっとしていると 突然 目の前が 広い荒野になり 馬が走り回り 人が走り回り 打ち合いをしている 戦国の様な光景が見えました。

 

沢山の人達が 倒れ 傷付き 馬が主を失い パニックになっている姿や 槍や刀で戦っている その姿を目の当たりにして 血の気が引く思いでした。

すると……

私の後で ジャリッという音と 甲冑の擦れ合う音がしたかと 思ったら 肩から腰に刀を振られる感じがして 思わず 横に避けてしまいました。( 物凄く 怖かったので…殺気が凄かったです。 )

ロウソクの炎が消えると同時に カタッと音がして お線香の香りも消えたので 起き上がり 明かりを点けると ロウソクとお線香の両方ともが 斜めにスパッと斬れてました。

 

身体が震えていたのを どうにか 止めようとしましたが 2時間くらいは 震えが止まりませんでした。

 

次の日 図書館に行き 住んでいる場所辺りを調べてみると やはり 古戦場にあたる場所でした。

 

それと 仏壇が何等かの関係があるのでは?と思い 調べましたが 辿れても明治辺りで 跡絶えてしまい それ以上は 何も解りませんでした。

 

 

 

そして その日の夜 ソレは 現れました。

春先と言えど 底冷えする日があるので 掛け布団を掛けて 寝ていると 深夜 「うぅ……うぅ… 」という声が聴こえた瞬間 金縛りになり そうなる事を予想していたので そのままじっとしていると 足下の方から ソレが這い上がって来る気配がしました。

 

両足に 何か 長い棒状の物を感じたので 多分 刀だと思います。

徐々に 這い上がって来る 感覚が強くなった時 耳元で 苦しそうな声で 「みっ……水ぅ……水を……うぅ……水っ……」と繰り返し聴こえたので 「お水だけでいいのですか?」と聞くと もう直ぐそこまで這い上がって来ているソレの両手が 青く光ながら 掛け布団のエリを握り締めているのが 見えました。

 

「うぅ……水っ…水を……くれぇ…… 。」と繰り返すので 私は 「お水を用意しますので 金縛りを解いて下さい。」というと フッと金縛りが解けました。

心の中で( 明かりを点けます それまでに 西に移動して下さい。 )と言って 寝室を出て 台所に行き 明かりを点けました。

 

その時 一瞬 ほんの一瞬 落武者の様な髷を切られ 髪が両方に垂れた 頭が見えた気がしましたが それを 押し殺し コップに一杯のお水と 清酒を盃に一杯入れ 西の方角に お盆に乗せ 置きました。そしてまた 心の中で( お約束したお水です。それと お疲れ様でした。盃をお取り下さい。 )と言って また 布団に潜り 眠りに就きました。

 

すると 降って湧いた様に 次から次へと 水を求める者達が増えて行くのと 同じ様に 時代の流れを感じ 兎に角 『水』に拘る者達が 大人から子供 老若男女問わず 増え 果ては赤ん坊までがミルクを求め 泣き叫ぶまでになりました。

 

取り合えず 水は タライにいっぱい入れて縁側に置き ミルクは無かったので 砂糖水を用意し 縁側へ移動して頂きました。

 

私は眠いので 明日 話を訊きます。

ですから 今はこれで我慢して下さい。と手を合せ ザワつく人や物音を無視して 寝ました。( 寝かせてくれたので… )

 

 

前の日に 図書館で ある程度 調べていたので 住んでいる土地が どういう場所なのかを 判った上で 専属のお坊さんに頼んで 一斉 供養を行い 天( うえ )に上がって頂きました。

 

 

さて……

どの時代にも 良い人ばかりでは在りません。

供養をしたその日 私は 夢を見ました。

 

夢の中で 私は 何処かの町の町娘の様な感じでした。夜 家族も寝静まった頃 突然 雨戸を蹴破られ甲冑に身を纏った侍達が 押し入って来て 両親を斬り殺した後 私は縁側に逃げた所で 右肩から左腰に向かい 一太刀で斬られてしまいました。

 

夢の中の私が 「 ぎゃあああぁ… 」と悲鳴というか断末魔を上げたのと 同時に目が覚めました。

 

起き上がった時 右肩から左腰に袈裟がけした様な痛みを感じ 姿見の鏡に 写して見ると…右肩から左腰にかけて まるで 袈裟をかけた様に赤く血が滲んだ ミミズ脹れになっていました。

 

 

その痕は未だ消えず うっすらと背中に残っています。

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