雄島

雄島の名前を知らない人が居ても 東尋坊なら知っている人も多いだろう。

 

雄島は 東尋坊から 北へ約2Kmほどの日本海にある 小さな島。ここは無人島。

 

雄島へは 三国港から 架かっている 朱色の橋を渡って行くことが出来る。

 

この雄島 東尋坊より 怖いと言われている。

個々 説はあるが 中でも有名なのが 遺体が流れ着くというもの。

 

東尋坊から身投げした人の遺体が流れ着く島として有名な心霊スポットになっている。

 

古来 [ 神の島 ]として崇められていたらしく 神秘的なオーラを放っているという。

 

島に行くには 先に書いた通り 雄島橋を渡らなければならない。橋の全長は、224m。

 

この 雄島橋にも [ 深夜に橋を渡っていると 海へ引っ張られる。 ] という 噂がある。

 

雄島橋を渡りきると 大湊神社の鳥居がある。

大湊神社の本社は 80段近い( 77段か78段だった気もしますが… )階段を登った先に あります。

 

この神社でも 霊を見たとか 笑い声や叫び声を聞いたという話がある。

 

そのまま 遊歩道を歩いて行くと 灯台に出る。

この灯台付近も 発光体や女性の霊などの目撃談は 数え切れないほどにある。

 

雄島は島でも周囲は約2Kmくらいしかない為 一周するのにさほど 時間はかからない。

 

しかし この島を回るのには 一つの決まり事がある。それは 必ず時計回りに回るという事。

 

では 反時計回りに回るとどうなるのか?

 

噂では 反時計回りに回ると 祟りにあい 命をおとしてしまうという。

 

しかし 案内板等には その様な注意を促すものは何も書かれていない。まるで……その地だけに伝わる 都市伝説のようだ。

 

霊を見ただの、写真に写っただの、声を聞いたというものに 信憑性があるのか?と 疑いたくなる人もいるだろう。

 

過去に 肝試しで この雄島に来た 3人の若者が反時計回りに回り その中の1人が 帰り道の雄島橋で 海から出てきた手に 足をつかまれて 動けなくなって 翌日 水死体で発見され 足をつかまれていた仲間を見て怖くなり 逃げた2人も 1人は 行方不明 もう1人も事故で亡くなっているのだという。

 

ただの怪談話と 一笑する人もいるだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、現実は……余りにも酷似していた。

 

2010年 8月

 

とある事から 繋がりを持った S寺から 午前2時過ぎ頃 緊迫した声で本所に連絡が入った。

 

其方の町に住む 数人の若者が 雄島を反時計回りに回り 助けを求めて駆け込んで来たと…。

 

それで そこ( S寺 )には 何人居るのか?と聞くと 3人は居るが あと2人は来ていないという事だった。

 

人数は間違いないのか?と聞くと

S寺の住職が 若者達に怒鳴る様に確認している声が受話器を通して聴こえてくる。

 

間違いない。という事で 急いで S寺へ向かう。

 

40数分で S寺に着くと 海からかなり離れているのに 潮の香りが漂っていた。

 

私の住まいは県外ですが たまたま用事で本所に泊まっていたので 出向きました。

 

事情を聞こうと 応接間へ通されると 3人の男性達は 小さく身を屈め 本当の恐怖に遭遇した時に出る 上下左右に身体を大きく小さく震わし 怯えていました。

 

私 「あなた達だけ 何故 ?怖かったから友達置いてきたの?噂が本物か確かめようとしたの?」

 

S寺住職 「他の子達を探しに行かせましょうか?」

 

私 「いえ。今は行かない方がいいと思います。暫くしたら 本所から 使いが来るのでその時に行きます。」

 

S寺住職 「そうですか。わかりました。 」

 

私 「何処で友達とはぐれたの?」

 

A 「とっとおだい…をっ過ぎたあったり。」

 

B 「変なこっ声がして 振り返ったら Eの後ろに……後ろに…」

 

C 「Bが振り返った時に 俺も後ろ見たら……おっ女がっ 」

 

A 「いっいきなり、Dが喚いて駆け出したかっから、つられて走って、あっあとは分からない。」

 

B 「橋っ橋の途中まではっDも居た…はず…」

 

C 「おっ俺もAが、走り出したから…走ったあとは分からない…です。」

 

私 「住職 彼等を本堂へ…後はいつも通りにお願いします。」

 

S寺住職 「分かりました。さっ立ちなさい。本堂へ行きますから。」

 

住職と3人の若者が出て行き 静寂が耳の奥を突く 無音過ぎる無音。

 

暫くして お寺の外に人の気配がして 玄関まで出ていく。本所から来た応援。

 

私達は 雄島へ向かった。

 

海は荒れていた。怒っているような 海鳴りが響き渡っていた。

 

私 「雄島橋は中央を歩いて下さい !! はぐれないように気を付けて付いてきて下さい !! 」

 

日本海側だけあって波が荒い。何も無くても

波にのまれたら 命を落とすだろう。

 

海鳴りを人の悲鳴と間違えるのも無理はない…が……

 

橋を渡りきると大湊神社の鳥居が 暗い闇の中に白く浮かぶ…階段を登る…

 

私 「左に進んで下さい。」

暫く歩くと……声を聴く者が出てくる。

それは 私の耳にも届く。悲痛な叫び声…。

 

W 「凄い声がしますね?」

私 「何百という声がね…これが聴こえておかしくならない人は居ないでしょうね。ここは 昼と夜では 違いの差が大き過ぎる分 何が起こってもおかしくない場所だからね。」

 

地面を照らす懐中電灯が 何かに反射して光る。

Y 「何ですかね?」と拾い上げる。

Y 「ネックレスの鎖みたいですね…。」

持ち帰らずに 後で分かるように 目につく場所に置いておく。

 

灯台に着いた。

人影は私達以外は見当たらない。

辺りを懐中電灯で照らすが 何も見えない。

 

その時 激しい頭痛が私を襲った。

立っていられない程 まるで 大きな石か何かで頭を叩きつけられた様な激しい痛みと 強烈な吐き気に 思わず座り込む。

 

W 「大丈夫ですか !? 」

私 「ゔ~だっ大丈夫です。ここを…離れましょう…。」

 

手を借りてその場を離れると 少し楽になるが頭痛は続き吐き気も治まらない。

 

Y 「誰かいます !!」 懐中電灯を茂みにあてて そう叫んだ。

みんなの明かりが その一点に集まる。

茂みから引っ張り出された その人に 名前を聞いた。

 

Y 「あなたの名前は ⁉ D君?E君?」

怯える目で 私達を見回した後、絞る様な声を上げて 大声で泣き出した。

 

一頻り泣いた彼が 少し 落ち着きを取り戻した時に 再び 名前を聞いた。

 

W 「君の名前は?」

? 「僕の名前は Dです。」

 

張つめていた 空気が 一瞬和らいだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

でも……私は良かったという気持ちにはなれなかった。頭痛と吐き気がこんなに酷いのには 理由があるはずだから……。

 

 

一先ずD君を連れ S寺へ行くというので 3人着いて行かせ 私達は E君の行方を探しました。

 

灯台からの帰り道 アチコチ方々見て回りましたが 見つける事が出来ず もうすぐ 鳥居が見えるという時に 先程 D君を連れて行った3人が 戻って来て

 

Z 「橋の中央付近で いきなりD君の姿が見えなくなって、海に落ちたんじゃないかって 暫く探したんですが……」

 

 

私 「そうですか……取り合えず S寺に戻りましょうか?」

 

橋を渡る 私達の足は重い… 尚も気にして 海の方を覗き込み 消えたD君を 探そうとしているZの姿が切なく見えた。

橋を渡りきり 私達は雄島に向かい一礼をした。

 

騒がせた お詫びとして……

 

 

S寺に帰り着くと 先程まで震えていた3人が走り寄って来たが 私達だけだと分かると 肩を落として泣いていた。

 

 

本物とニセ物の区別がつくなら 人はわざわざ出向いたりはしないでしょう。

 

区別がつかないから 本物と出会した時 初めて事の重大さに気付く……その時では もう遅いんですけどね…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[ 後日談 ]

 

 

A B Cは S寺でお祓いを受けて それぞれ帰りました。

 

その後 Aは 親の仕事の都合で他県へ 引っ越したそうです。Aのその後はわかりません。

 

Bは 就職先に行ったまでは分かっていますがそれ以上の事は わかりません。

 

Cは 地元に残りDとEの消息を最後まで探していたそうですが……翌年 病気で亡くなったそうです。

 

 

あの日から3日後………E君の遺体が発見されました。

 

E君が見付かった日から更に3日経って D君の遺体が発見されました。遺体の頭部の損傷が酷かったそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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