お囃子が聞こえる

私と私の親友Mの後輩Kが男の子の霊を背負って私のアパートへやって来た日から2週間程した頃、私のアパートの隣の棟の2階に一人暮らしの男の人が引っ越して来ました。

私の旦那は解体屋の次期二代目で、二棟のアパートの向かいに建つマンションの一室を社長である義父が事務所として借りて居たので娘のRは良く義父が事務所に居るとマンションの方へ遊びに行ったりして居たのですが、その時に良くその2週間程前に引っ越して来た男の人と会い、声を掛けられたりしていたので私も一緒の時は挨拶したりはして居ました。

ある日、Rがいつもの様に義父の所へ遊びに行き、帰って来た時にお祭りの法被を着て捻り鉢巻きをしたドナルドダックのぬいぐるみを抱っこして居たので

私「R?それ、どないしたん?ジージに貰ったんか?」
R「ううん。いつも会うおじさんがくれたの」
私「隣の2階に住んでるおじさん?」
R「うん!UFOキャッチャーで取れたから上げるよ。って」
私「そっか。ちゃんと、お礼言った?」
R「言ったよ!」
私「ほな、ママも会ったらお礼言わないとやな」

それから数日後にその男の人と顔を合わせたので、お礼を言うと

男「いえいえ!良い歳してUFOキャッチャーが好きでね笑取るまでが楽しいので、取れたら良く姪っ子に上げたりしてるもんで。ちょうど、帰って来た時にRちゃんと会ったので一つお裾分けです笑」
私「すみません。ありがとうございます」

Rはそのドナルドダックを気に入って大事に部屋に飾って居ました。

それから更に数日後、Mが泊まりにやって来ました。

子供達が寝てから、私と旦那のI、Mの3人で隣の部屋で話して居ました。
すると、Iが突然こんな事を言い出しました。

I「最近さ…ここ3日位の話なんだけど。何か夜中に祭りのお囃子みたいな音が聞こえるんだよ」
私「祭りのお囃子?私、聞こえた事無いけど?」
I「だろうな笑だから、お前には言わなかったの。Mさん来たからMさんなら聞こえるかな?って思ってさ」
M「祭りのお囃子ねぇ~?何時頃?」
I「大体いつも夜中の2時位かな?小さい音何だけど、目が覚めるんだわ」
M「面白そうじゃん笑」

(面白そうか??)

3人で時計を見ると1時ちょっと前でした。

M「まだ、時間あるな。早く聞いてみたいわ笑笑」

(悪趣味だ…)

それから違う話で笑い合ったりして居るとMが

M「ちょっと!黙って」

私とIはMの言葉で黙り

ました。

MとIは耳を澄ませて居ます。
私も耳を澄ませましたが…

M「聞こえる…」
I「だろー? S?聞こえる?」
私「聞こえへん…(T-T)」

時計を見ると2時を少し過ぎた辺り。

M「隣の部屋からだな…」
I「うん…」

Mは立ち上がり、そっと襖を開けました。
子供達はスヤスヤ寝ています。
Mは静かに子供達が寝ている部屋に入って行き、部屋の中を見回すと、Rが例の男の人に貰ったドナルドダックを手に取り、暫く眺めて居たかと思うとそれを持って戻って来ました。

M「これだわ」
I「これ、どうたんだ?」
私「2週間位前に隣の棟の2階に男の人が引っ越して来たやん?その人からRが貰ったんよ。UFOキャッチャーで取った。言うて」
M「確かにそうみたいだな」

UFOキャッチャーで取れたぬいぐるみには、景品みたいな事が書かれた紙のタグみたいのが付いてますよね?
それが、付いたままだったのです。

I「新品みたいだしな」
M「でも、余り良い感じがしないな。コイツ」

(そう?私にはただのドナルドダックですけど?)

I「念がこもってる感じがするな」
私「誰の?」
I「分からない。あのオッサンでは無い。あのオッサンは普通にUFOキャッチャーで取って、普通にRにくれただけだな」
M「私もそう思う。UFOキャッチャーのぬいぐるみに念がこもる。って時点で不可思議よなぁ」
I「うん。でも、これはRには可哀想だけど捨てた方が良い」
私「そんなに良くないん?」
M「あぁ。良くないと思う。明日Rが起きたら話すわ。Rなら分かると思うから」

翌朝、MがRに話をすると、Rはアッサリ納得し、ドナルドダックは焼却される事になりました。

さすが、自分も霊感持ちの娘です。

一体、UFOキャッチャーのぬいぐるみに誰の念がどの様に入ったのか不思議な体験でした。

私は、霊感が強い人間に引っ張られる体質とは言え、やはり私だけ見えなかったり聞こえなかったりと言う事の方が多いですね。

それでも、この後、二番目の娘が一歳半になった時に一軒家を購入し、引っ越すのですがそこで強烈な体験をRがする事になります。

そのお話は又の機会に書かせて頂きます。

 

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