初めての投稿なので上手くあの恐怖を表現できるか不安ですが…
先日、東京と千葉を分ける川に夜釣りに行った時の話です
というのも、成人し社会人になった自分は趣味も無く職場と自宅を往復するだけでした
このままではダメだと思い手軽に始められそうな釣りを選んだのがきっかけです
ですが所詮素人、坊主の日々が続きます
そこでネットで少し調べてみたところ、自宅から自転車で2.30分、川にテトラポットがある場所がよく釣れるという情報を入手しました
後日、遅番の仕事終わり(といっても仕事は20時まで)に夜釣りに行く事に、自宅に帰り準備を済ませ出発、現地に着いたのは夜の10時程でした
着いたのはコンクリートで舗装された川の淵、街灯も無く真っ暗でほぼ月明かりのみです、吸い込まれるような黒い川が見えました
最初は少々不気味でしたが針に餌を付け川に釣り糸を投げます、すぐに魚がかかる事も無いので持ってきていた折り畳みの椅子に腰をかけました
静かで暗い川、意外にも最初の不気味さは感じなくなってきていました
ボーッと釣り糸を眺めながら気が付けば1.2時間が過ぎ夜中の12時を回っていました
成果も無く諦めていたところ川に何かが流れている事に気がつきました、暗くシルエットしか分かりませんがサッカーボールより少し小さめの丸い何かがゆっくりと流れています
ボールが川に流れる事は大して珍しく無いので最初は気にしていませんでしたがやけに目の前を通り過ぎる回数が多いです
不審に思いよく見てみると川上から流れて来たものが川下に流れて行った後、川下から流れに逆らい川上に流れて行きまた川下へ、と繰り返しています
普通は有り得ないのでいつのまにか凝視をしていました、すると数回目の折り返しの時、私の目の前でピタッと止まりました
瞬間冷や汗がドッと出ます、「ヤバイ物に目を付けられたかもしれない」そう思い川を見ないようにして急いで撤収作業を開始しました
大して物を出していなかったのもありものの数分で片付けが終わました、ここでよせば良いのに気になって川の方を見てしまいました
そこには人のような形をした黒い影があり川から上半身だけ出していました、私がボールだと思っていた物はその影の頭だったようです
人のよう、と言いましたが人とは決定的に違う部分がありました、首です、首が異常に長く頭の2.3倍はありました
見てしまった瞬間異常なほどの鳥肌が立ち
異形の者を見た緊張感から焦り、振り返る事なく乗ってきた自転車まで走りました
幸いにも後ろから追ってくるような音はしません、ただ気配だけがそこにありました
自転車につき荷物をカゴに乗せ鍵を開けます、いつでも逃げられる安心感が自分を満たします
その安心感と追ってくる音がしなかった事もあり、反射的に川の方を見てしまいました
ですがもう川には何も居ませんでした静かで黒い川が広がっています
異形の者から逃げられた安心感からホッと一息つきました
ペンライトを持って来ていたのを思い出し取り出して川の方を照らしました
やはり何も居ません、自分は逃げ切れたんだそう思いました
ですが何かがおかしい、最初の方に述べましたが川の淵はコンクリートで舗装されており濡れると黒っぽくなります、よく見ると川から自分が先程までいた場所が濡れて黒くなっていました
気がついた瞬間また鳥肌が立ちます、その濡れはそこから今立っている自分の足元まで続いていました
そこからの記憶はほとんどありません、無我夢中で自転車を走らせ気がついたら家について居ました
ここからは後日談です、特にあれから何事も無く普段の暮らしに戻りました
ですが昨日友達と食事をする為に待ち合わせをして居たところ、後から来た友達に
「あれ?あなたが立ってるところだけ濡れてない?」と言われ足元を見ると、私が立っているところだけビショビショに濡れていました
まだあの異形の者は私について来ているのでしょうか
長くなりましたがこれで本当に終わりです、ありがとうございました