夢見がちな30代

目的は北海道一周。日程は3日間。気ままな一人旅だ。北海道は予想以上に何も無い。街から街まで100kmを越えるときもある。その間、コンビニはおろか、自販機すらない。気楽に長距離ツーリングを楽しもうと思って来たが最後。本当に長距離ツーリングが好きな人間以外には苦痛でしかない。俺の旅のコンセプトはなるべく金をかけないこと。その為、旅館やホテルには一切泊まらず、旅をする。道中での悩みはガソリンスタンドが街にしかないことだ。24時間営業なんて論外。大概のガソリンスタンドは19:00には店を閉じる。早いところだと17:00に閉めていたところも在った。俺のバイクは燃費が悪く、満タンで160kmしか走らない。日程は3日間。夜も走らないと間に合わない。だが、俺は頭の悪いことにガソリン携行缶を装備していなかった。更に4日後には会社が始まるギリギリの日程。間に合うはずが無い。俺はその事に半周した時点で気付いたのだ。俺は考えた。一周を諦めて、道央を突っ切り、函館からフェリーに乗って陸路で帰るか。それとも意地で爆走し、小樽まで帰還して一周をやりきるか。悩んだ挙句、俺は一周することを決めた。「諦めたら、そこで試合終了ですよ」敬愛する安西先生がそう囁いたのだ。

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