竿竹屋の真実

■竿竹屋の真実■みなさんは竿竹屋さんをご存じでしょうか。「たーけやーあ、さおだけーぇ」というアレです。軽トラに竿竹を積み、とろとろと町中を巡回。ましてや「2本で千円。20年前のお値段です」とまで言ってます。みなさんはあの存在をどのように考えているのでしょうか。ちょっと質問を変えてみましょう。みなさんは、ここから竿竹を買ったことがありますか?じゃなければ買っている人を見たことがありますか?これが「石焼きいも」だったら、買ったこともあるし買っている人も見たことはあるでしょう。なのに竿竹に限っては…? ここで、オカシイと思ってしまったのが運の尽きでした。二本で千円という破格値。人ひとりが車を運転して巡回する人件費、車の管理費、ガソリン代…etc.どう考えても商売として成り立たないのです。なのになぜ竿竹屋は日夜、町中を巡回しているのでしょうか。ここで洞察力のある方はもうお気づきのことと思います。そうです。目的は別にあるのです。ここで、話は変わりますが。実は、先日おいらの住んでいる近所…200m圏内で殺人事件があったのです。アパートに一人暮らしの女性が部屋で刺殺された、とのこと。ここで、奇妙な一致に気づいてしまったのです。いつもはあまり来ない竿竹屋が、この日以後は頻繁に巡回しに来ている、と。これはどう考えてもおかしいでしょう?気になってしまったので、とうとう様子を見に外へ出てしまいました。そこで、おいらは試しに竿竹屋から竿竹を購入してみては?と思い立ち実行に移してみました。正直なところ、竿竹なんていらないんですが。そして天気のいい昼下がり、ヤツはやって来ました。「たーけやーあ、さおだけーぇ」…来た。急いで外へ飛び出し、車の横へ。運転手はキャップ帽を目深にかぶった40代くらいの男性。「すいませーん。一本ください」…すると。運転手は何ごとか?といった表情を見せ、一瞬辺りをきょろきょろとしはじめる…やがて思いついたように「あ?ああ、竿竹ね?買うの?はいはい~」と、車を止めました。荷台から竿竹をほどく。やたらと手際が悪い。見てるこっちがイライラする。思わず「こうしたらいいのでは…」と口を出してしまうほど。「あー、はいはい」と生返事な運転手。というわけで、むき身の竿竹一本ゲット。いらん~。そして運転手とのコミュニケーションを試みる。ま「売れ行きはどーですか?」運「いやー、ぼちぼちかな」ま「失礼ですけど、これで商売になるんでしょうかね(^^;)?」運「ん?いやー。まぁねぇ。ぼちぼちかなー。」ま「一日にどのくらい売れるんですか?」運「いやー。ははは。いや、俺は臨時でやってるからねー。よくわかんないんだよ」ま「そーですか。がんばってください」話をしている最中も、常に周りを気にしてとにかくさっさと切り上げようとしている。無理に引き留めるわけにもいかず、この日はこれで引く。「なんかあやしい」それが感想でした。およそ商売をしている風には受け取れませんでした。そしてこの日以降も竿竹屋は巡回に来る。毎日…。どうしても気になるので、さりげなく外を歩いてる風を装って、車の近くへ。しかし一瞬、運転手と視線が合ってしまいました。先日と同じ男性でした。向こうも気が付いたらしく(そりゃそうでしょ。誰も買わない竿竹を買った人なんですから、向こうもおいらの顔を覚えていたようです)微妙な反応を。この時おいらは、その男性が「ちっ」とでも言いたさげな、あからさまにイヤな顔をしたのを見逃しませんでした。ここで、おいらはなんかマズイな…と思いました。なにか触れてはいけない部分に触れてしまったような。しかし、それでも竿竹屋は来る…気になる…ああ、ジレンマ。そしてまた別の日。ついに耐えかねて、また外に出てしまう。今度は気づかれないよう、物陰に隠れて様子をうかがうも、車の後ろからではさっぱり見えない。しかたなく、気づかれないようぐるーっと迂回して車の先回りをする。建物の間にある隠れた場所、フェンスの横からそっと顔を出す。さしたる変化も見受けられなかったものの、一瞬よそ見をした瞬間に向こうに気づかれてしまった!!(今考えれば正面からだから見つかってもしかたない場所ではあった)さっと隠れるもブォォン!とエンジン音。隠れた場所に横付けされる車。あわてて降りてくる運転手。さっさと逃げればいいものの、この時は失態を見つけられてしまった小学生のごとく体が硬直し…「見つかった!」…恐怖のため身動きがとれなかった。「おまえか…」息を切らした運転手の第一声でした。おいらは得体の知れない恐怖のために体は震え、声を出すことができませんでした。運転手はさらに詰め寄りました。そして小声でこう言いました。「何を知ってる!?」おいらは何も知らない!!知りません!!この時、全身の血がさぁっと音を立てて引いていくのが感じられました。黙っているおいらを見て、はぁー、と長いため息をつく運転手。「しょうがない。ちょっと車にのんな」車に乗れだと!?あまりのことに…あまりの展開にすっかり動転する。気が動転するとはこういうことなのか、と生まれて初めて実感する。車に乗れ、と?…冗談じゃない!ここでようやく体が拒否反応を示す。逃げなければ。なんだか分からないけど逃げなければ。ここで落ち着きを取り戻し、運転手にうながされるままに…ちょっとふらふらと演技をしつつ…車の方へ。運転手が車のドアを開けるために向こうを向いた一瞬、全速力で逃げ出した。「あ!こらっ!待て!」後ろから運転手が追いかけてくる。一応、20代の体ではあるからそこそこは動く。さすがに40代のおじさんに追いつかれるほど体力は衰えていない。そして逃げ切った。申し訳ないんですが、そういったことはやめてもらえますか?」だから尾行なんかしていないのに!!あの時の得体の知れない恐怖がまたよみがえる。思わず声がうわずって、どもってしまう…「いや、あの…」ここで向こうは声を押さえ気味にしながら言う。「これは警告ですから。これ以上、同じ行為をされるとなると公務執行妨害罪もしくは業務妨害罪として告訴する場合もあります。あなた自身のためにも、もうあのようなことはやめてきただきたい」思わず呆然とする。この人達は一体なにを言っているのだ!?おいらは何もしていないと言うのに!!得体の知れない恐怖と、なぜそんなことを言われるのかという怒りの感情とで、思わず泣きそうになる。一気に感情が高ぶってしまい返す言葉が出てこない。それが、向こうの言うことを認めたことになってしまっているにもかかわらず。「くれぐれもおかしなマネはやめてくださいよ」と言い残し彼らは去っていった。わからないけど、思わず泣けた。悔し涙というか怒りのためというか。以上が、おいらが体験したことです。————————————————————————連続カキコすみません。当時は気持ちが高ぶっていたせいか、状況判断ができませんでしたが、改めて落ち着いて考えてみることにします。彼らはこう言いました。「公務執行妨害罪もしくは業務妨害罪」。これはどういうことか?つまり、竿竹屋は警察の活動の一部分である、ということに他なりません。思うに、竿竹屋というのが町中の日常風景に溶け込むための変装であり、本来の目的は何かを監視しているのかもしれません。いわゆる「公安」と呼ばれる人達の手による活動なのかもしれません。逆に言えば、竿竹屋いるところに、事件あり、と言ったところか。もっとも、竿竹屋すべてが公安であるとは言い切れませんが。

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