降って湧いた心霊現象

 

 

これがいけなかった。

強がりを言ったところで社内には私一人である。トイレの入り口ドアを開けたま

ま小をしていた・・・「キィ・・バタン」ドアが閉まった。

背筋がぞっとし冷や汗が出てくるが、何事も気付かないフリをする。私は今まで

全てそうやってやり過ごしてきた。変な自信ではあるが、「大丈夫だろう」という

気持ちはある。しかし、ここで手を洗いながら鏡を見るような強い精神は持ち

合わせていないため、手も洗わず鏡を見ないように入り口のドアを開ける。

 

 

「あれ?」

皆で階段を上りながら現場班長が声をだす。

「誰かまだいたんすね。今給湯室に誰か行きましたもん。」・・・そんなはずない。

「ん?倉庫にも誰かいますって。どしたんすか?課長。」・・・絶対にいない。

なぜか真っ暗になってしまったフロアをガラス戸越しに見る。部下達が勢いよく

ガラス戸を開ける。!!「わぁっっ!!」先頭に入った班長が後ずさりする。

なんとフロア内に鬱でやめたはずのKがいる!すごい形相でこちらをにらみつけ

ている。「Kさんっ!」皆一同に声を出し、私も思わず「なにやってんだっ!」と

言ってしまった。「でんきっ!電気!!」と誰かが声を出す。

あわてて電気をつけると・・・Kが消えた・・・

 

フロアの電気が消えた・・・

私の後ろにも誰かがいる・・・給湯室から戻ってきたのだろうか・・・

シーンとしたフロア内で、いきなり「ドン!ドン!ドドドドドドドドッ!!!」

ものすごい音が鳴り始めた!

真下の倉庫からの突き上げ音、屋根から何十人という人数による足踏み音、

あまりの大きさに一瞬平衡感覚を失い、よろけそうになる。

「うわぁぁ!うわぁぁーー!!まど!窓!」誰かが叫ぶ!

私たちは見られていた・・・窓の外には大勢、まさしく何十人という人数の者達

がこちらを凝視していたのだ。たまらずに座り込む。「ダメだ、無理だ」私はこの

言葉をずっと言っていたような気がする。顔を上げる事が出来ない・・・

 

 

 

多分、守ってくれたんだと勝手に思う事にした。Kが鬱になったのは、仕事内容

ではなく、もしかしてこれだったのか?人一倍残業が多かったKは、この事を誰

よりも良く知っていたのかもしれない・・・

 

社名を挙げる事は出来ないが、今現在求人募集をかけている。日本一長い

国道沿いの会社への就職は気をつけていただきたい。               

 

                                                                                                                                                                                                                                               

                                                                                               

 

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